前回の東京ミッドタウン八重洲では、

吉岡徳仁によるオブジェ「STAR」を紹介した。

吉岡氏は光、ガラスを題材とした作品を生み出しているアーティストで、透明なガラスの作品である「ガラスの茶室」などが有名だ。

今回紹介する21_21DESIGN SIGHTでも、吉岡徳仁による「ガラスのトーチとモニュメント」が開催されていた。

この展覧会で展示される作品は、2024年開催予定の国民スポーツ大会「SAGA2024」に向けて制作されたものだ。

DESIGN SIGHTで吉岡氏による灯火イベントがあった。

大勢の人が集まる中、17:30ごろに灯火が行われれた。

すぐそばには、ガラスでできたベンチ「water block」がある。

これだけの厚みのガラスの塊にお目にかかることはめったにない。

側面から見ると反対側がそのまま透過して見える。

水の塊をモチーフに制作されたとのこと。

両サイドの断面はなめらかに、それ以外は細い溝の線で凹凸をつけられている。光がこの作品を通る時に、なめらかな部分は透過し、凹凸面は反射する。それが、水のような独特の造形を生み出している。

水もまた、静かな水面は光を透過することで、水面下がよく見える。

波立つ水面は、光をあらゆる方向に細かく反射するため、独特の造形を生み出す。

水の2つの性質をよく反映した作品だと思える。

そのためか、モチーフ通りの水の塊のように見える。

ここまでは屋外での展示だが、屋内にもある。

これは「灯火のためのレンズ」。

陽光を集めて、聖火台に灯火するための大きなレンズだ。

ひと手間かけて、陽光を集めて灯火するという点に意図が込められていると思える。

こちらも「SAGA2024」のために制作された作品だ。

改めて、展示作品として「レンズ」をながめると、

光が凸レンズ形のガラスを通る時、1点に集められるというのは不思議な現象に思えてくる。

このレンズの中で、光は進む方向を変えているのだから。

当たり前と言えばそうなのだが、物質の中で光が進路を変えるというのは、普通ではないことが起きているのではないか。

身の回りを見渡しても、レンズのように「光を集める」ことで写真を撮る、窓ガラスは「光を透過させる」ことでガラスの向こう側を見せる。光とガラスは切ってもきれない関係にあると思える。

以上で紹介した作品は展覧会の一部だ。

吉岡氏のガラスという透明なオブジェを用いて作品を制作するという点におもしろさを感じる。

ガラスは、透明度が高いため光を透過させ、しかし反射もさせる。

それらの点から、他の物質ではなかなか見出せない表現を生み出すことができる。

レンズのように表面をなめらかにすることで、多くの光を透過させることも、凹凸をつけて光の反射率を高めることもできる。

それらを組み合わせれば、「ガラスのベンチ」のように水の塊を表現することもできる。

ガラスは、様々な光の表情を引き出すことができる物質と言えるだろう。

アクセス・料金・時間

所在地:〒107-0052 東京都港区赤坂9丁目7−6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン

入場料金:吉岡徳仁の展覧会部分は無料

開催時間:10:00-19:00

期  間:2023/9/14~11/5