目黒区にあるFactory & Labo 神乃珈琲に行ってきた。

街の中にあるのに、緑の木々に囲まれたcafe。

とても居心地の良い場所だった。

壁一面の大きな窓から見える緑の木々、カフェの空間、椅子や照明などのインテリアといった要素が、居心地の良さを演出していた。BGMも優しくて大きな低音の響きに包まれて、聴き心地が良かった。

写真左下には、透明な丸型のスピーカーがある。豊な優しい低音が部屋に広がっていた。気になって調べてみると、Harman Internationalの「SoundSticks」というスピーカーみたいだ。スピーカーとしてのデザインも素敵だと思った(家にあったらいいと思った)。

居心地の良いカフェというのは、空間のデザインから、家具から、音楽まで、あらゆる面で工夫されているのだと思う。

神乃珈琲も例外ではなく、

公式サイトには以下のような紹介文がある。

ゆとりのあるスペース、テーブルや椅子の体が触れる家具から
調度品選びでも質を追求しています。空間も味覚やイメージに
影響を与えると考えているからです。

こだわりのある空間はもちろんだけど、

気になるのは、「空間」が「味覚」や「イメージ」に影響するいう考えがベースにあるという点。

例えば、空間のデザインが、感性を研ぎ澄まし、食べているものの味やイメージに対して、プラスの影響を与えるといったことではないだろうか。

そこで食べたり飲んだりしているものも、カフェという空間のイメージと相まって、居心地の良さという感覚の一部になっているはずだ。

人間の五感は視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚とあるが、それぞれ独立したものではなく、互いに影響を与えうると捉えられる。

例えば、料理を食べた時の「味覚」で感じる味(美味しさ)は、空間のデザインという「視覚」によって影響を受け、より美味しく感じることがあるのではないか。そしてまた、味覚で感じた美味しさは、視覚にも影響を与え、カフェの印象をより良く感じる。このような五感の相互作用によって、「居心地の良さ」という感覚は形成されているのではないだろうか。

ユハニ・パラッスマーの著書には次のような記述がある。

視覚も味覚へと転換される。また色や繊細なディティールのなかには、口腔内の感覚を喚起するものがある。私たちは無意識のうちに、細やかに着色され磨かれた石材の表面を舌で感じているのだ。『建築と触覚ー空間と五感をめぐる哲学』草思社,2022: 105

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建築と触覚 空間と五感をめぐる哲学 [ ユハニ・パッラスマー ]

視覚によって、物体の滑らかさや荒さといった質感、色味などが捉えられるが、それは、口の中の感覚である味覚に転換するとある。

洗練された空間に触れると、ついこうしたことが気になってしまう。

人間の感覚というのは、単純には捉えきれないものだ。

その居心地の良さという感覚が、どこまでが人工的に計算して作られたものなのだろうか。

とても美味しくいただいた。