鮨の造形美

日本食として有名な鮨は、味もさることながらその造形に美しさを感じる。

美しい輝きをまとって、その身でしゃりを包み込んでいる。

少し身をひねることで、光が反射する角度を少しずつずらす。

よく見ると、先端の断面の角度と、後端の断面の角度は異なっている。

後端の方が急な角度になっている。

計算された緩やかな身のうねりが光をあらゆる方向に反射させる。

加えて、「付け台」に置かれた鮨の角度。

これ以上ないほど、正面から見て美しく見える完璧な角度。

これらが相まって、非の打ち所がないほど美しい造形をしている。

素人ながらそんなことを思った。

こんなことを、記事に何を書こうかと写真を見ながら考えた。

食べている時は気が付かなかったが、後になって写真を見返していると、

とても高い技術で握ってもらっていたのだと今更ながら思う。

鮨 佑

銀座の名店を紹介した「HANAKO」という雑誌で紹介されていた。

東銀座駅の近くにある。入り口は地上だが、そこから階段を降りて地下へ潜っていく。

今回握っていただいたのは、鈴木豊さん。

鮨にまつわる楽しいお話をしていただいた。

例えば、鮨を数えるときに使う「貫」という単位。一貫、二貫の「貫」はその昔鮨のサイズが今の2倍ほどあった時代の単位だ。一貫は一口で食べられるサイズではないため、それを半分ずつ2つに分けたサイズが今の鮨なのだという。つまり「一貫」とは、一皿に2つ鮨がのっているものを指す。

そのほかにも、昔は緑茶は飲むだけでなく、手を洗うのにも使われていたというお話を聞いた。

素早く丁寧に鮨を握るかたわら、会話や質問をさせてもらい楽しかった。

あっという間に1時間が過ぎた。

帰りは地下から1Fの入り口まで来て見送ってくださった。

鮨の味

肝心のお味はというと、

自分が思っているよりも、大きな味がするというのが素直な感想だ。

それは自分がこんな味だろうなという想像を大きく超えているというか、口の中には収まらないほど大きな味がするとでも言うのだろうか。

例えばトロはこんな味と思っていても実際にトロの鮨を食べると、もっと大きな味がする。

食べる前の想像と実際に食べた後で、味のギャップは大きい。

ものすごくふくよかでスケールの大きな味。

既製の言葉を使うと、想像の上をいく味だ。

そして海の旨みが凝縮されたような、新鮮な味がする。

今回いただいた鮨の中では、ホタテが一番印象に残っている。

口の中のサイズを超えるほどに広がる豊かな味が美味しかった。

だしについて

ふと思ったのは、「だし」の味は東西で違うため(おそらく鮨にもだしは使われると思うが)東西で鮨の味は変わってくるのかということ。

例えば、どん兵衛は東西で味が違う。西は酸味が強い、シャープですっきりした味がするが、東はそれに比べると(私が西の味に慣れているせいか)独特のもっさりとした味がする。

鮨も同じように味が違うのだろうか。聞いてみればよかった。